トイレにまつわる作法は、いくつもあります。
小用を立ってするか座ってするか。
大の後のお尻の拭き方。
外出先のトイレで便座に座れるかどうか。
これらには、ある共通点があります。
それぞれの詳しい中身は、以下で解説しています。
▶小用を座って済ませる理由は
👉「男性も座って小便すべき理由」
▶お尻の拭き残しを防ぐ確認は
👉「お尻の拭き残しを防ぐ確認の習慣」
▶外出先で便座に座る方法は
👉「外出先で便座に座りたくない気持ちとの付き合い方」
どれも、一人きりの空間で完結し、その様子を誰にも見られません。
ところが、「トイレを出る時」だけは、少し性質が違います。
| トイレ作法 | 見られ方 |
|---|---|
| 小用の仕方 大の拭き方 便座に座るかどうか | 一人で完結 他人には見られない |
| トイレを出る時の状態 | 残した状態を 次に入る人が見る |
拭き方も、座り方も、その瞬間を誰かが覗くことはありません。
ですが、出た後のトイレの状態は、次にトイレに入る人が目にします。
例えば、自宅に女性を呼ぶ場合、その「次にトイレに入る人」は自分が招いた女性かもしれません。
逆に、自分が女性の家を訪れる場合も同様です。
つまり退出の作法は、結果が相手の目に直接届きます。
ここで話すのは、「潔癖になりましょう」でも「神経質になりましょう」でもなく、トイレを出る時のちょっとした癖が、なぜ恋愛の場面で効いてくるのか、という話です。
トイレを出た後の状態は、次に使う相手にそのまま見られる
目指すのは、「使った痕をとにかく消すこと」ではありません。
ここで意識をしてもらいたいのは、痕を残したまま出た時に、その先で起きることです。
痕を残さないのは、あくまでこの「その先」を防ぐための手段です。
手段と目的が入れ替わると、話は途端に「とにかく綺麗にしろ」という窮屈なものになってしまいます。
ゴールは、ピカピカのトイレではありません。
その先の面倒や不快を、先に消しておくことです。
大事なデートの日だけ丁寧にしようとしても、普段の癖は変えにくい
「大事なデートの日だけ、丁寧にトイレを済ませればいい」
そう思うかもしれませんが、ここには落とし穴があります。
トイレの所作は、これまで数えきれないほど繰り返してきた、体に染み付いた動きです。
頭で「今日は丁寧に」と思っていても、体はいつもの癖で勝手に動いてしまいかねません。
知っていることと、やったことがあること、そして普段から身についていることは、それぞれ別物です。
だからこそ、「その日だけ」ではなく「普段の習慣」が大事です。
最初は少し面倒でも、普段から続けていれば、やがて意識しない当たり前の動きに変わります。
そうなれば、いざという日に慌てて切り替える必要もありません。
ここから先の話は、すべてこの「普段の癖にしておく」を前提に進めていきます。
トイレの蓋は、自分と次に使う相手のために普段から閉める
退出の作法の中で、まず手を付けたいのが「蓋」です。
蓋を閉めてから流す。
たったこれだけの動作ですが、実は理由が2つあります。
1つは、自分を守るため。
もう1つは、次に入る相手のためです。
トイレの蓋を開けたまま流すと、見えない飛沫が自分や身の回りに広がる
蓋を開けたまま水を流すと、便器の中の水しぶきが、目に見えない細かい粒になって空気中に舞い上がります(*1)。
この粒は、便座やその周り、そして近くに掛けてあるタオルや、自分の服にまで届くことがあります。
つまり、蓋を閉めないというのは、自分の身につける物へ、見えない汚れを浴びせているのと同じということです。
しかも自宅なら、その飛沫はトイレの空間に少しずつ溜まっていきます。
やがてニオイの素になり、こもった生活臭として居座ります。
対策しているつもりでも、こうした見落としでニオイが残っていることがあります。
詳しくは👉「ニオイ対策しても臭い男と言われる理由」で解説しています。
蓋を閉めて流す。
それだけで、この飛沫は大きく抑えられます。
水を流す勢いで、便器内の水は細かいしぶきとなって舞い上がります。
この現象はトイレットプルームと呼ばれ、蓋を閉めることで、舞い上がる粒子と周囲への拡散を抑えられることが報告されています(*1)。
開けたままの蓋は、次に入る相手の目にそのまま入る
飛沫は、あくまで自分側の話です。
ここからが、恋愛の場面に直結する話になります。
前の章で触れた通り、退出後のトイレの状態は、次に入る人がそのまま目にします。
そして蓋の開け閉めは、その中でも一番わかりやすく目に飛び込むポイントです。
思い浮かべてほしい場面があります。
どの場面でも、開けっ放しの蓋は、次に入る相手の視界へまっすぐ届きます。
ここで厄介なのが、こうした場面だけ丁寧にしようとしても、間に合わない可能性です。
前の章で触れた通り、蓋の開け閉めは体に染み付いた癖です。
普段から開けっ放しの人が、その一瞬だけ「今日は閉めよう」と意識しても、体はいつも通り動いてしまいがちです。

普段の癖は、この一瞬だけ切り替えられない。
だからこそ、普段から閉めて出る。
「トイレの蓋くらい」と思っても、開いているのを気にする人はいる
「♂️蓋くらいで、そこまで気にする人いる?」
そう感じるかもしれません。
その感覚も、頭ごなしに否定はできません。
ただ、いくつかの調査を見ると、少し様子が違ってきます。
| 調査からわかること | 数字 |
|---|---|
| 「閉めてから流す」人 | 過半数(約56%)(*2) |
| 「使用後は閉めてほしい」 (未婚・独身層) | 女性 約51%/男性 約40%(*3) |
まず、蓋を閉めてから流す人は、いまや過半数です。
つまり「閉める」という行動は、神経質な少数派ではなく、むしろ普通の習慣になりつつあります。
そしてもう1つ。
「使った後は閉めておいてほしい」と感じる人も、決して珍しくはありません。
ここで注意したいのは、これを「女性は必ず気にする」と読み替えないことです。
調査を見る限り、これは男女の差というより、育ってきた家庭の習慣が違うことによる感覚のズレに近いものです。実際、既婚層では男女の差はほとんど縮まります。
そのため「女性はこうだ」と決めつける必要はありません。
ただ、開いていることが気になる相手は、確かに存在し得る。
それを知っておくだけで十分です。
相手が気にするかどうかは、その場ではわかりません。
わからないからこそ、閉めて出る癖をつけておくことで、相手を不快にさせてしまう可能性を下げられます。
次の人に不快なものを残さないために、流れたかを1度確認する
蓋を閉めて、水を流す。
ここで「終わった」と、そのまま出ていませんか?
蓋を閉めることで「ちゃんと流れ切ったかどうか」が見えなくなります。
次にトイレを使う人が蓋を開けた時、そこに何かが残っていれば不快に感じてしまうのは想像に難くありません。
蓋を閉めるという丁寧と、流れ切ったかどうかの確認の両立をどうするのか?
やることは単純で、流れたかどうかを、水流が止まった後に蓋を開けて確認する。
それだけです。
ここで身につけたいのは「背を向ける前に、1度確認する」という、ただの姿勢です。
自分が使って減らしたものだけ、次の人が困らないよう確認する
最後は備品です。
とはいえ、トイレを使うたびに在庫を総点検しましょう、という話ではありません。
見るのは、今この使用で、自分が減らしたものだけ。
トイレットペーパーを最後まで使い切ったなら、次の人が紙のない状態でうろたえないように、予備を出しておく。狙いはそれくらいです。
そして「どこまでやるか」は、場所によって変わります。
丁寧さの度合いというより、自分の管轄がどこまで伸びるかの違いです。
| 場所 | どこまでが自分の管轄か |
|---|---|
| 自宅 | 減った分は、補充まで自分の役目 |
| 相手の家 | 綺麗に使い、痕を残さないまで |
| 出先・公衆トイレ | やり過ぎず、最低限のマナーまで |
他人の家や公衆トイレで、備品の在庫まで気を回す必要はありません。
むしろそこまでやると、行き過ぎになります。
補充まで面倒を見るのは、自宅だけ。
しかもそれは、几帳面さのためではなく、次にそのトイレを使う人が、小さなことで困らないようにしておく、という段取りの話です。
自宅に女性を招くなら、退出時の所作だけでなく、トイレ全体の準備も見ておきたいところです。
詳しくは👉「お家デートのトイレ準備|トイレ掃除が重要な理由」で解説しています。
まとめ:相手を不快にさせないひと手間を、普段の習慣にしておく
トイレを出る時の、ほんの数十秒。
そこで整えて出る癖は、三つの方向に効いてきます。
蓋を閉める、流れたか見る、減った分を補う。
どれも、単体で見れば大したことのない、当たり前の動作です。
ですが、清潔感は加点よりも、減点で動きやすいもの。
これらは点を稼ぐための派手な一手ではなく、知らないうちに点を落とす芽を、静かに摘んでおく作業です。
そうした視点を持つことが、結果として相手に不快感を与えずに済む配慮としての行動に繋がっていきます。
最初は面倒でも、普段から続けていれば、やがて考えずにできる当たり前の動きに変わります。
そうなれば、大事なデートの日に慌てて意識を切り替える必要もなくなります。
頑張って綺麗にした証明ではなく、相手が気にする芽を、普段から消しておくこと。
出る時のひと癖は、そのための静かな習慣です。
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なぜトイレ作法が恋愛で効いてくるのか。
その全体像は👉「男のトイレ作法は恋愛の盲点」で解説しています。
- Best, E. L.; Sandoe, J. A. T.; Wilcox, M. H. “Potential for aerosolization of Clostridium difficile after flushing toilets: the role of toilet lids in reducing environmental contamination risk“. Journal of Hospital Infection. 2012, 80(1), 1-5
- ライオン株式会社. “コロナ禍で増加した“フタを閉めてから流す”派“. ライオン株式会社. 2023年12月13日
- at home VOX. “洋式トイレのフタ 閉めない人も、あるきっかけで閉めるようになる?“. at home VOX. 2016年4月18日


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